カテゴリー別アーカイブ: 一次電池(特殊)

特殊形状の一次電池を扱うカテゴリです。

ナショナル高性能乾電池 SM-1 1.5V

今回は久しぶりとなる特殊電池を紹介します。これは大昔の電話やベルなどに使われていた、“SM-1(正1)”というサイズの大型マンガン電池です。電池のデザインはとても古そうですが、既に小文字の“National”表記となっています。
片面は日本語表記となっており、社名表記は“松下電器産業株式会社”、もう片面は英語表記となっており社名表記も“MATSUSHITA ELECTRIC INDUSTRIAL CO.,LTD”と英語表記となっています。

側面です。『日本工業規格合格品』と記載され、C8501(マンガン電池)で許可番号は“690”となっていますから、松下電器産業(当時)の辻堂工場で製造された電池のようです。両面とも同じ表記で注意書きの記載はありません。用途は“通信用”・“電鈴用”・“その他”とあります。
79-06 T」という印字が見られるので、1979年6月製造の電池であると推測されます。

 

 

 

 

2個入手したうちの1個が下から液漏れで腐食していたので分解してみました。分解して驚き、中は単1のマンガン電池が8本並列で接続されていました。最初は大きい電池が1本だけ入っている構造(単セル)だと思っていたのですが、こういう構造になっていたのですね。単純に考えただけでも単1マンガン電池8倍の容量を持っていることになります。

中に入っていた単1のマンガン電池。銀ピカ無印字の金属外装なマンガン電池です。プラス極の絶縁リングは「」。気になるのはランクです。普通に考えるとハイトップ相当の赤マンガン電池であると推測できそうですが、電池の英語表記には「HYPER DRY BATTERY」との記載があることからハイパー相当の青マンガン電池かもしれません。

 

最後に電池の外装を剥いでみました。このような無印字の電池では極稀に内部に別電池の絵柄が印字されている事例があるらしいとのことで。残念ながら、今回の電池には何の印字もありませんでした。ちなみにロット番号などの記載もありません。通常、マンガン電池の場合はロット番号などの記載は無いのが普通です。

昭和45年(1970年)のカタログより。FM-5やFM-3ナショナルの乾電池と同じような新しいデザインになっているのに対し、RM-1(丸一)と今回のSM-1(正一)は古いデザインを使い続けていたことがわかります。これから9年間も同じデザインを使っていたんですね。1970年当時の価格はRM-1の380円に対し、SM-1は750円と高価です。SM-1はRM-1の上位版と言った位置付けだったのでしょうか。

MARKYN CP9V 1200mAh Lithium 9V

今回は秋月電子通商で売られている6P形のリチウム電池である“CP9V”を紹介します。この電池はネットショップ上では見られるものの、秋葉原の店頭では長らく見られなかった電池でしたが、最近店頭で発見し入手しました。
同じく、秋月電子通商で売られている、単3の塩化チオニルリチウム電池と同様に中国の電池メーカー“Guangzhou Markyn Battery Co., Ltd.”製のようで電池の側面(写真では上)には“MARKYN”のロゴが見られます。

同じく6P形のリチウム電池であるFDKの“CP-V9JU”と比較してみました。見た目の外観は市販の6P形の電池と同様で、公称電圧も9Vなので代替使用は可能と思われます。ただし、秋月電子通商のホームページではバックアップ用と銘打って売られており、大電流よりも小電流の方が多く電気を取り出せることが記載されています。外装はどちらともプラスチック。CP9Vの方が電池全体にラベルが覆われています。

注意書き部分。注意書きは日本語の表記は無く、ドイツ語と英語のみの表記となっています。書かれていることは焼却やショートを行わない、充電をしないこと、極性は正しく、などごく一般的な事です。原産国の表記はありません。恐らくは中国製だとは思うのですが…。
ちなみに公称容量は1200mAh。よっぽどアピールしたい点なのでしょう。この表記の部分が光っていますw。

やはり、皆さんが気になるのは中身ですよね?ということで開けてみました。中にはラミネート加工された薄型リチウム電池3個が入っていました。単セルそのものには印字などはされておらず、本当に1200mAhの容量を持つ電池なのかは不明です。
メーカーのホームページ上でラミネート加工のリチウム電池は見られますが、これと同サイズのリチウム電池はありませんでした。この電池の為に作られたオリジナルのセルなのでしょうか。

なお、電池の外観はリチウムイオンポリマー電池にそっくりの構造をしていますが、この電池のデータシートを見てみると“lithium/ manganese dioxide”と書いてあるので、二酸化マンガンリチウム電池のようです。従って、充電は不可能なので注意が必要です

最後にFDKの“CP-V9JU”と中身を比較してみました。CP-V9JUには“CR1/2 6・L”という円筒形の二酸化マンガンリチウム電池が3つ入っています。この電池は1000mAhの公称容量を持っているため、CP-V9JUも1000mAhとなっています。
日本で薄型リチウム電池を入手することはまだ困難なので、このCP9Vを分解して取り出すといいかもしれません。ただしいつもの決まりごとですが、分解使用は自己責任ということでお願いします。

★関連記事
FDK CP-V9JU Lithium Battery 9V
→FDKが特定用途向けとして販売している6P形のリチウム電池を紹介した記事。

GMB POWER(R) ER14505H 2.4Ah
→本記事と同じく秋月電子通商で売られている単3の塩化チオニルリチウム電池を紹介した記事で、メーカーも同一となっている。

FDK CP-V9JU Lithium Battery 9V

CP-V9JU_1今回は“FDK”が特定用途向けに販売している6P形のリチウム電池である「CP-V9JU」を紹介します。
現在、この電池が一般市販されていることはほぼ無く、ヤマトプロテックが製造する住宅用火災警報器「けむピ~」の一部機種で用いられる専用電池として同社の通販サイトで売られているものが唯一の入手方法となっています。

 

CP-V9JU_2特定用途向けと言ってもサイズは市販されている6P形の電池と同様ですし、公称電圧も同様の9Vですから、代替使用可能であると思われます。ですが、注意書きには『特定用途以外には使用しない』という注意書きがありますので、この電池を指定する機器以外の使用は自己責任ということで。
ちなみにこの電池は購入時、端子には透明の絶縁キャップが付けられていました。さすが、高価な電池という所でしょうか。

この電池をFDKのホームページ上で見てみると、型番は「CP-V9J」となっていますが、今回入手したものには「CP-V9JU」と“U”の符号が追加されています。これは以前、本ブログで紹介したFujitsuブランドの“CR2Uと同様にアメリカの安全規格である“UL規格”を満たしているかを表す記号であると推測されます。その証として、電池にはURマークも記載されています(URマークもUL規格の一部である)。

CP-V9JU_3注意書き部分と側面。ちなみに外装はプラスチックですが、注意書きや型番などが書かれている部分はシールが貼られているだけです。社名表記は“FDK CORPORATION”と英社名表記のみ。一般市販されている電池ではありませんが、Fujitsuブランドの乾電池と同じく、フリーダイヤルの記載があります。
CELL ORIGIN JAPAN FINISHED IN CHINA”の表記があり、中身のセルは日本製ですが、組立は中国で行っている模様。

CP-V9JU_4やっぱり、気になるのは中!ということで開けてみました。中にはFDKのリチウム電池“CR1/2 6・L”という電池が3個直列になっていました。1個のセルが3Vですから、3×3=9Vということです。側面には“3CR1/2 6L”という別の型番が記載されていましたが、こう言うことだったんですね。
中からは“FUJI NOVEL”ブランドの電池が出て来て萌えた。以前もこれに似たような体験をしたような気がする…。

SANYO CR14550SE / FDK CR17335SE LITHIUM BATTERY

CR17335SE_1組み込み用の二酸化マンガンリチウム電池“CR17335SE”と“CR14250SE”です。片方は“FDK”ブランドでもう片方は“SANYO”ブランドとなっておりますが、これは元々旧・三洋電機の子会社であった三洋エナジー鳥取がこの電池を製造していたことが関係しています。
FDKは2010年に三洋電機より三洋エナジートワイセル(現・FDK高崎工場)とともに三洋エナジー鳥取も買収、同社は“FDK鳥取”となりブランドも“FDK”となった経緯があります。

CR17335SE_2この電池は秋葉原の稲電機で1個100円で投げ売りされていたのを購入したもので(もちろんジャンク)、他にも基板実装タイプのリチウムコイン電池なども売られていましたが、円筒形のリチウム電池はこれのみだったので取り敢えずこれだけ衝動買い。
多分、この電池は普通に買ったら1個数千円する電池なのではないでしょうか。

 

CR17335SE_3注意書き部分。注意書きは日本語と英語の2ヶ国語での表示ですが、英語の方が文量が多いです。社名表記は“SANYO”ブランドの方が“SANYO Electric Co.,Ltd.”、“FDK”ブランドの方が“FDK CORPORATION”となっています。原産国は“FDK”ブランドの方に「Made in Japan」と書かれていますが、“SANYO”ブランドの方には「JAPAN」としか書かれていません。前述の通り、三洋エナジー鳥取(FDK鳥取)製であると思われます。

組み込み用の電池なのでURマーク付き、欧州への輸出も想定してか、WEEEマークもあります。寿命が長いリチウム電池だからなのか、電池本体には製造日などの記載は無く、“CR14250SE”には「BAADPE」、“CR17335SE”には「BBAFOB」というロット番号らしき印字がありました。

CR17335SE_4プラス・マイナス側。端子にはタブが付いているタイプで、いわゆる組み込み用の電池です。マイナス極はガラスシールで封止されています。これだけでも結構高そうな構造です。
なお、このリチウム電池は負極をレーザー溶接で封口して高容量を図ったモデルで、“SANYO”ブランド時代にはそれに由来する「-LASER- Lithium」という名称が電池本体に記載されていた時代もありました。

CR17335SE_5LEDによる点灯テスト。まずは“CR17335SE”から。眩しいぐらい明るく光っています。未使用ですし、個人ベースでの使用用途であれば十分実用に耐えると思います。
メーカー公表値でこの電池の容量は1800mAh

 

 

CR17335SE_6次に“CR14250SE”。こちらも眩しいほどの明るさです。
メーカー公表値でこの電池の容量は850mAh

GMB POWER(R) ER14505H 2.4Ah

ER140505_1秋葉原の秋月電子通商で見つけた小箱。このブログで取り上げるのですから、電池なのは確かですが、どのような電池なのでしょうか。
第一印象では18650とか14500のようなリチウムイオン電池ではないか?と思ったのですが…。

 

 

 

ER140505_2正解は単3形の塩化チオニルリチウム電池でした。価格は1個280円(税込)。価格としてはかなりの破格値で、同じ秋葉原の千石電商では同タイプのサフト製が1943円すると考えると、かなり安いことがわかると思います。
塩化チオニルリチウム電池とは一次電池の単セルとしては最も高い3.6Vの公称電圧を持つリチウム電池の一種で、主に電子機器のメモリーバックアップ用途に用いられている電池です。

ER140505_3電池の外観(上下合成です)。中国の電池メーカーである“Guangzhou Markyn Battery Co., Ltd.”製らしく、ブランドである“GMB POWER”の「GMB」とはこの会社名の頭文字を取ったもののようであります。
注意書きは英語のみ。電池本体には“04292015”の印字が有り。普通に推測したら、2015年4月29日と推測できそうではありますが…。

ER140505_5プラス・マイナス側(左右合成です)。プラス極の突起が若干低いような気がします。しかし、この電池は特殊電池であり、一般の単3電池を使う機器に流用することはありませんから、問題無いと言えそうですね。
なお、この電池は一次電池であり、充電は出来ない電池であるので注意すること。内部には塩化チオニルが入っており、破裂などを起こすと塩化チオニルが空気に反応して、人体に有害な塩化水素や亜硫酸ガスが発生し、とても危険です!

ER140505_4最後に各種電池との比較。上は普通の単3アルカリ電池で、下は東芝の同等品。この東芝の同等品も秋葉原の稲電機では3045円もする高価な逸品だったりします。
ちなみにこの電池は単3電池と同サイズですが、一般に売られているアルカリ電池やマンガン電池の単3とは電圧が異なる為(3.6V)、流用することは不可能となっています。もし、間違って機器に入れると壊れる可能性が高いです。

 

★関連記事
塩化チオニルリチウム電池(ER電池)
→本記事で紹介した電池と同種である塩化チオニルリチウム電池の概要を記載した記事。

塩化チオニルリチウム電池 その2
→上記記事の続編。三菱電機とソニーの塩化チオニルリチウム電池を紹介している。

NATIONAL PHOTO FLASH AND ELECTRONIC EQUIPMENTS W10 15V

nationalw10_1 カメラのフラッシュガンに用いられた積層電池である“W10”です。以前、本ブログでは東芝のものを紹介したことがありますが、今回はナショナルのものを紹介します。
積層電池とは中で小さい電池が積み重ねられて高い電圧を実現した電池のこと。この“W10”も中に10個の小さい電池が積み重ねられ、15Vという高い電圧が実現しています。
型番の“W10”とは中で積み重ねられた電池の数である10個が由来となっています。

nationalw10_2ナショナルのロゴは“NATIONAL”の古いものになっています。パナソニックのサイトによると、ナショナルのロゴが“NATIONAL”から“National”に変わったのが1973年なので、少なくともその頃に作られた電池であると思われます。
写真左は以前本ブログで紹介した同年代に製造されたと思われる“015”で、同一のデザインになっており、両者とも注意書きなどの記載が全く書かれていないことも同じです。

nationalw10_3マイナス側。プラス側は“015”・“W10”共に「」でしたが、マイナス側は“015”が「」、“W10”が「」となっていました。
また、マイナス極には「042」の刻印がありました。以前の“015”の読み方と同じであれば、1972年4月製造であると思われますが、詳細は不明です。ちなみに“NATIONAL”ロゴの変わり目は1973年ですから、年代的には一致しています。

 

nationalw10_4ちなみにこの電池、ハードオフで税込108円で購入したナショナルのフラッシュガン“PB-3”の中に入っていました。年代的に考えても、当時のものがそのまま入っていたのではないかな?

 

 

 

nationalw10_5折りたたみ式の反射板(アンブレラ)を開いてみたところ。なかなか昭和レトロな感じがしてカッコいいですね。電池も無ければフラッシュバルブもありませんから、実際発光させるのは不可能に近いのですが。

 

 

nationalw10_6裏の電池蓋を開けてみたところです。本記事で紹介した電池である“W10”のとなりにはキャパシタ(電解コンデンサ)が入っています。積層電池のみでは内部抵抗が高く、直接フラッシュバルブを発光させる事ができないので、一旦電解コンデンサに充電して発光させる方式を使用していました。
また、電解コンデンサにも容量抜けによる寿命が存在していたので交換可能だったものが多かったようです。

nationalw10_7キャパシタ(電解コンデンサ)と積層電池を外してみたところ。この面には電池の入れ方の参考のためか電池の絵が書いてある紙が挿入されていました。
この絵のデザインは今回紹介した“W10”の1世代前のモデルでしょうか。『ナショナル 写真用乾電池』の記載があるものです。

 

nationalw10_8さらなるおまけ。真ん中においてあるのがフラッシュガンの中に入っていたキャパシタ(電解コンデンサ)。容量は170μF
大きさは単5電池(写真上)よりも細身で若干大きい様な印象です。ちなみに写真下は昨今のデジタルカメラなどに内蔵されているフラッシュ用の電解コンデンサです(330V 70μF)。

 

 
★関連記事
NATIONAL PHOTO FLASH AND ELECTRONIC EQUIPMENT 015 22.5V
→本記事で紹介した積層電池と同年代と思われる、ナショナルの“015”を紹介した記事。

TOSHIBA 乾電池 W10 15V
→本記事で紹介した積層電池“W10”で東芝ブランドのものを紹介した記事。推定1970年代のものと、1988年製造のものを比較して紹介。

マクセル 乾電池 写真ストロボ用 超高性能 BL-0160

BL-0160_1古~いマクセルの積層電池です。これはプロ用のストロボ(パワーパック)として用いられていた、写真用の積層電池で、同じような電池は本ブログでも富士通(Fujitsu)ブランドの“0210(315V)”と“0180(270V)”を紹介したことがあります
今回紹介するのは“BL-0160(0160)”という240Vの電池で、写真のような単品の他にこの電池を2つ並べた“0160W”と呼ばれる積層電池も存在していました。

 

BL-0160_2本ブログではこの電池に近い年代であると思われるマクセルの006Pを紹介したことがありますが、それでは表も裏も英語表記でした。しかし、このBL-0160では片面は英語表記もう片面は日本語表記になっています。
「マクセル乾電池」の“マクセル”ロゴが何とも時代を感じさせるもので良い感じがしますね。社名表記も“日立マクセル株式會社”となっていて、こちらも時代を感じさせます。

BL-0160_3端子部。こちらにも古い“マクセル”ロゴは健在。以前、本ブログで紹介した富士通の積層電池では「高電圧なので触れたり水をかけると危険」である旨が記載されていましたが、このマクセルの積層電池はそのような注意書きの表記はありません。

 

 

BL-0160_4側面。“MAXELL DRY BATTERY FOR STROBO FLASH GUN”と書いてあります。もう片面も同じデザインになっていて、注意書きなどの表記は一切ありません。生産国は“MADE IN JAPAN”で日本製です。
右下には“055”という印字が見えます。以前、本ブログで紹介した同年代のマクセル006Pと製造時期が同じだとするならば、1965年5月製造の電池だろうか。

BL-0160_5同年代と思われるマクセルの積層電池と並べてみました。左が“BL-015(22.5V)”で右が“006P(9V)”です。この頃のマクセルの乾電池はどれも同じデザインで統一されていて良かった印象がありますね。

 

 

BL-0160_6各種、パワーパック用の積層電池を並べてみた。左から本記事で紹介した“0160(240V)”、“0180(270V)”、“0210(315V)”。後は“0340(510V)”を入手すればコンプリートかな?
ちなみに型番はそのまま中に積層されている電池の数を表していて、今回紹介した“0160”では中に160個の電池が接続されており、240Vとなっています(1.5×160=240)。

 

★関連記事
MAXELL DRY BATTERY FOR TRANSISTOR RADIOS 006P 9V
→本記事で紹介した積層電池と同年代と思われる、マクセルの006Pを紹介した記事。

富士通写真用積層電池
→本記事で紹介した積層電池と同じ、プロ用のストロボ(パワーパック)の積層電池を紹介した記事。

Fujitsu(富士通) 4AA|6V FOR ELECTRONIC EQUIPMENTS

4AA_1かつてトランジスタラジオなどに用いられていた電池である“4AA”。これは内部で単3電池(AA)が4個入っている積層電池(組電池)となっています。
以前は各社がこのタイプの電池を発売していましたが、現在では電池4本を入れて4AA相当にできる電池ボックスが登場し、各社が生産中止になる中、松下(ナショナル)はこれを4AA電池ケース”と称し4AAの代替品として発売していました

そんな中で恐らく、日本で最後まで4AAサイズの電池を発売していたのはFDKで今回、同社の旧・“富士通”ブランド(以下、富士通ブランド)のものと現・“Fujitsu”ブランド(以下、Fujitsuブランド)のものを入手出来たので、比較を交えて紹介してみたいと思います。

4AA_2富士通ブランドの積層電池は箱物の電池がデザインで金属外装の電池がシルバーデザインでしたが、Fujitsuブランドになると全てグレーデザインのものに統一されています。その中で赤いラインが入っている電池が真空管ラジオ(B電池)用やトランジスタラジオ用などの積層電池で、黄色いラインが入っている電池が写真(フラッシュ)用の積層電池と用途により区別されています。

 

4AA_3側面。どちらともFDKの旧社名である“富士電気化学株式会社”の名義。記載の住所は同じもの(浜ゴムビル)ですが、富士通ブランドのものは東京03な電話番号なのに対し、Fujitsuブランドのものはフリーダイヤルのものに変わっています。
どちらもバーコードが印刷されており、富士通ブランドのものは8ケタのコードでFujitsuブランドのものは一般的な13ケタのコードになっています。ベンダーは8ケタのものは該当無し(廃止されたとみられる)、13ケタの方はFDK(4976680)でした。

4AA_4側面その2。富士通ブランドのものは“4AA|6V”という表記が大きいのに対し、Fujitsuブランドの方は小さく控えめに表示されています。どちらとも“Fuji Electrochemical Co.”と富士電気化学の英社名が記載、「MADE IN JAPAN」で両方共日本製です。なお、Fujitsuブランドの方は水銀0化されています。
ちなみに両者とも注意書きは不思議にも書かれていませんでした。

 

4AA_5底面。この面には製造日とみられる印字があり、富士通ブランドの方は「86-07(1986年7月)」、Fujitsuブランドの方は「99-04(1999年4月)」の印字があります。

 

 

4AA_6電池には“FOR ELECTRONIC EQUIPMENTS”、「電子機器用」と書かれていますが、具体的な用途が書かれておらず、トランジスタラジオ以外でこの電池がどのような機器に使われていたのかは不明です。

Panasonic BR-C Industrial Lithium

BR-C_1パナソニックのフッ化黒鉛リチウム電池“BR-C”。フッ化黒鉛リチウム電池(BR電池)は1976年に世界で初めて日本のパナソニック(当時は松下電器産業)が商品化したリチウム電池で、現在主流の二酸化マンガンリチウム電池(CR電池)が登場してからは日陰の立場になるものの、高温特性に優れ、長期信頼性に優れることから、10年定期交換のガスメーターやバックアップ用途など、組み込み用途として多く使われています。まさに縁の下の力持ちってやつですね。

なお、この“BR-C”は話題になった小惑星探査機「はやぶさ」にも、回収カプセルのビーコン発信用の電池として採用され、その性能はあのJAXAにもお墨付きをもらった程なのです。

BR-C_2大きさは単2電池と同サイズでパナソニックが製造している円筒型のフッ化黒鉛リチウム電池としては最も大きいサイズとなっています。単2電池と同サイズですがリチウム電池なので電圧は3V、容量は5000mAhの大容量です。
電池はアルカリ電池と比べるととても軽く、そこはさすが、リチウム電池といった感じです。

 

BR-C_3もちろん市販の単2電池ボックスにもピッタリです。普通、一般市販されている電池では普通の乾電池と同サイズの電池は売られていません。なぜなら、電圧の違う大きさの同じ電池は誤用の危険性があるためです。
その分、このような組み込み用の電池であれば、一般市場には流通しないですし、使える機器が限定されますから、このような同サイズの電池が製造可能なのですね。

BR-C_4電池の外観。電池には“Industrial Lithium(業務用リチウム)”や“Not for Retail Trade(小売不可)”と表記されており、組み込み用の電池であることがわかります。
大きい文字で「充電禁止[DO NOT RECHARGE]」と記載してあります。なお、リチウム電池は水に触れると発火のおそれがある金属・リチウムを使用しているため、表記の通り充電は発火・爆発の恐れがあり、普通の乾電池の充電以上に危険です。

BR-C_5注意書き部分。組み込み用の電池ですが、注意書きは健在で日本語と英語の2か国語で表示、組み込み用の電池であるためURマークもあります(UL規格認定品)。社名表記は“Panasonic Corporation”で日本製です。
なお、電池には『BR26505』という型番も併記されており、これは直径26mm高さ50.5mmのフッ化黒鉛リチウム電池であることを示す型番です。

National Hi-Top long life ガスライター用乾電池 VS08 12V

VS08_1長年電池コレクターをしているとありとあらゆる電池を見ているつもりではあるのですが、時々見たこともない電池が突然現れてびっくりすることがある。今回もそんな存在を全く知らなくて驚いた、積層電池“VS08”を紹介する。
これは12Vの積層電池で、型番の法則からして見ると以前本ブログで紹介した“RV08()”と同種か同時期に発売された電池ではないかと推測される。ちなみにRV08もナショナルの“Hi-Top”ブランドであった。

※:当時、電子ライター用として発売された12Vの積層電池。当時“Hi-Top”ブランドで発売されたのはマンガン電池であったが、現在はアルカリ電池として各社が「23A」という型番で、パナソニックが現在でも「LRV08」という型番で発売されている。

VS08_2電池の外観。電池は角型で金属外装。ナショナルの高性能乾電池(赤マンガン)のブランドであるハイトップ(Hi-Top)ブランドを使用。デザインはトランジスタラジオ用の外付け電池として発売されていたホーム電池(4D-D・6D-D)のデザインに似ている
ちなみにハイトップブランドは一般的な単1~単3・単5・006P以外にも前述した4D-D・6D-DやRV08、4AAなどの特殊電池にも用いられていました。

VS08_3電池の側面。片側には極性表示と「VS08 12V」の型番と電圧が、もう片側には『ガスライター用乾電池』の記載と「084」の印字がある。注意書きの表記は全く無い。
ガスライター用乾電池の記載や12Vの電圧であることから、RV08(LRV08/23A)と同じく、電池で点火する機能を備えた電子ライター向けに作られた電池であると推測されます。

 
この電池で驚かされるのはナショナルのロゴが既に“National”の小文字ロゴになっている点で、比較的新しいものであることだろう。松下(パナソニック)がこのロゴに変更したのが1973年で、電池本体の印字「084」と照らし合わせると1974年8月製造のものであろうか。不思議なのは過去この電池をカタログで全く見なかったこと。特殊用途の電池であったので、パナソニックお得意の特定ルート限定品だったのであろうか…。

VS08_4サイズ比較。左から、単4・VS08・LRV08・単5。単5よりも大きく、単4よりも小さい。

 

 

 

VS08_5もちろん、このサイズの電池は現在発売されていない。LRV08(23A)にサイズを補完するスペーサーの挿入で代用できる気がするけど、直径が若干大きめで電池ボックス自体に入らないと思われます。